おしえて!ノースくん&サウスくん 第7話:「今の広告クリエイティブ業界は昔とちがう?」

今回はノースくんとサウスくんが、「今の広告業界と昔の広告業界のちがい」についておしえてくれるみたいだよ!

登場人物

おねえさん:ノースくんとサウスくんを居候させているやさしい女性。広告のことはあまり詳しくないけれど、アイスクリームのことはすごく詳しい。


ノースくん:尖り気味のイッカク。極寒の北極海生まれ汐留育ちのクリエーティブ・ディレクター。好きな飲み物はクラフトビールで、好きな恐竜はトリケラトプス。


サウスくん:大きな身体の雪男。南極のクレバス生まれ汐留育ちのマーケティング・ディレクター。好きなものは麻婆豆腐で、最近はスキューバダイビングも気になっているらしい。

ランニング日和だねえ。

そんなことより早くご飯食べに行こうよ。走るのイヤだよ。

中華料理屋さんのオムライスが好きなんだよね。

えっ!オムライスは洋食屋でしょう。

わかってないねサウスくん。何周かすると中華料理屋のオムライスに行き着くんだよ。

はいはい、今回もお便り来てるから聞いてくれる? 

「こんにちは。私は以前から広告業界に興味があり、勇気を持って憧れのクリエーティブディレクター(以下CD)への転職を考えています。しかし広告代理店のCDと言えば、実力主義で受賞歴を持っていないと相手にされないような職業なのかなと勝手に思っています。これって古いイメージですか?最近のCDと昔のCDの違いがあればおしえてください」

だそうです!CDのノースくんからおしえてあげてよ。昔のCDと今のCDって業務領域に違いとかあるの?

そうだね。昔はTVCMと新聞やポスターなどのグラフィックの2媒体が主戦場だったのが、今はデジタルとの連携が必須になったり、広告クリエイティブの扱う領域が広がっているからだいぶCDの業務領域は変わってきてる印象はあるね。

CMやポスターこそが「The広告」って時代はあったよね。

少なくとも自分が広告代理店に入社した頃のクリエーティブ局はそんな感じだった。昔のCDは、だいたいがコピーライターやCMプランナー、アートディレクターを長くやって活躍した人がなるっていう、わかりやすい流れがあった。だけどいつの頃からか全然違う分野からCDになる人が増えてきているなあという印象はあるよ。

古い時代のCDはデジタルに弱いからって言うこと?

それはあるよね。実際、IT系企業やWEBメディアに携わってきた人がCDになるパターンも増えているし。

もちろんそういう流れもあるけれど、もっと幅広く、それまでストプラとして戦略をやっていた人や、PRをやっていた人が活躍した結果としてCDになるパターンも増えているね。

ん?CDってクリエイティブをやったことなくてもできるものなの?

さっき言ったCDが担う領域が広がっているから、あたらしく広がった分野を専門にしているCDも生まれたということだね。

CDって寡黙な人が多い印象だけど、そういった新しい時代のCDたちは発信力を持っている人が多い気もするね。

そうだね!常にクライアントが絡む仕事だからSNSなどでの発信は気をつけている部分は当然あるけれど、昔のCDよりも発信は多い気がするね。

業務領域だけじゃなくキャラクターも変わってきているんだね。

ただ、領域は広がっていても、なんらかひとつのことを基礎からやり続けて極めた人が、だんだん領域を広げCDになった方がいいんじゃないのかなって思うよ。

まったく違う領域からCDになった人が、急にCMを作ったりできるものなの?

むずかしい質問だね。もちろんチームに優秀なCMプランナーやコピーライターがいればCMは作れるよ。ディレクションをする時にも、他業種からの視点が入ることであたらしい形のコンセプトやディレクションが入る可能性もある。でも、、、

でも?

例えば、サッカーの監督でも選手として成果を残した人の方が優秀な選手を束ねることができるよね。まったく畑違いの人だとむずかしい部分はあるかと思う。

なるほど。デジタルって意味ではたしかノースくんも広告代理店に入る前からホームページ作ったりインターネットに強かったんだよね?当時、珍しかったんじゃないの?

うん。入社したのがちょうど2000年なんだけど「AdobeのIllustratorが使えるぞ」ってだけで部署でちょっと話題になった。

「こいつコンテが作れるぞ!」って!?

まさに!当時はコンテライターさんが書いたイラストや写植屋さんが作ったテキストが印刷された紙を拡大・縮小コピーして、それをノリで切り貼りして…みたいなアナログな工程でコンテを作ってたんだよね。

逆にすごいね。職人!

「コンテですか?やっときまーす」って言うだけで大騒ぎになった。

Adobeのソフトがいじれたりインターネットに詳しかったりのクリエイターが当時少なかったってことは、それが武器になったんだね!

いや!むしろインターネットに強いです!って言っちゃうと、当時、広告として流行りはじめていたバナー屋さんにされちゃうと思ったから、あまり言わなかった。

その頃は、インターネット広告の市場はまだまだ小さかったもんね。

そう!TVCMの方がやりたい!って感じだった。

豆知識

電通の「日本の広告費2020」によると、2020年はマスコミ4媒体広告費(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)とインターネット広告費はほぼ同額。

とはいえこれまでCDやってきて、そういったスキルが役立ったことはあるんじゃないの?

どうだろう?あまり意識したことなかったけど、確かにあるかもしれないね。例えば、編集ソフトのことをなんとなく知っているから、エディターさんがどういう思考回路で考えているかっていうのはなんとなく分かったり、専門職の人と会話できるっていうのは割と強いかも。

仮にアウトプットは同じだとして、デジタルとアナログって思考プロセスがまったく違うもんね。クリエイティブ・スタッフのメンタル的な部分もケアできるのはCDとして大切だね。

そうだね。少なくとも自分が「無茶言ってる」ってことをわかっているだけでも違うから(笑)。  

軸足をどこに置いているかっていうのが、CDには大事ってことだね!

ナイスまとめ!そのとおりだね。広告クリエイティブのアウトプットをディレクションしなくてはならないCDは、時代やメディアは変わっても、少なくとも「言葉」か「ビジュアル」のどっちかの軸足は持っているべきだとは思うな。

そこは基本かも知れないね。

よし、いい話聞けたから早くオムライス食べに行こう!お店まで競争ね!

うえー結局走るのかよ〜

こればっかりはどうやら近道はなさそうだね…

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