おしえて!ノースくん&サウスくん 第2話:「そもそも、マーケティングってなんだ」

今回はノースくんとサウスくんが「マーケティング」っていったいなんなのか?をおしえてくれるみたいだよ!

登場人物

おねえさん:ノースくんとサウスくんを居候させているやさしい女性。広告のことはあまり詳しくないけれど、アイスクリームのことはすごく詳しい。

ノースくん:尖り気味のイカック。極寒の北極海生まれ汐留育ちのクリエーティブ・ディレクター。好きな飲み物はクラフトビールで、好きな恐竜はトリケラトプス。

サウスくん:大きな身体の雪男。南極のクレバス生まれ汐留育ちのマーケティング・ディレクター。好きなものは麻婆豆腐で、最近はスキューバダイビングも気になっているらしい。

いい天気だねえ。

北極海生まれの僕としてはもうちょっと寒くなってほしいかなー。

えー寒いのきらーい。

僕ももうちょっと寒いくらいがいいかもな。

サウスくんも南極生まれの雪男か。毛皮脱げば?

ホント無茶言うよね。

そういえば今日も悩める読者さんからメールきてるよ!

ノースくん、サウスくん、おねえさん、はじめまして。私は小さなイベント会社を経営しています。最近、客足がにぶくなってきたので、新たなお客さんを開拓しようとチラシやダイレクトメールなど作ってみたのですが、思うような反響がありません。経営者仲間に相談したら”君はそもそもマーケティングを理解してないよ”と言われてしまいました。こんな私にもわかるようにマーケティングの心得を教えてください。

こんな風に悩んでる経営者さん、多そうだよね。これってマーケティング・ディレクターのサウスくんの出番?

ういーっす!ただ、僕は自分のことを「マーケティング・ディレクター」だとは思ってないけどね。

お!サウスくんらしいひねくれたスタート!いいね!

いやいや。自己紹介に「マーケティング・ディレクターの雪男」っておもいきり書いてあるじゃん。

まぁ、そうなんだけどさ。ちゃんと説明すると、僕は自分のことを「物事を前にすすめる人」だと思っていて、マーケティングは物事を目にすすめるための手段のひとつに過ぎないんだよね。

(人というか、雪男では……)おけ。こだわりはちゃんと理解したから、まずは「マーケティング」がなんなのか教えて!

たぶん世界中の立派な人たちが10万回くらい言ってることだけど……マーケティングとはなんぞや?と問われたら、僕は「経営」だと答える。

マーケティングは、経営?

正確に言うと「経営」を「攻め」と「守り」の2つに割った「攻め」の方。例えば人材管理やファイナンスみたいな企業の内側の仕組みを構築したり維持したりするのが「守り」の方だとしたら、外を向いて利益の総額を上げるのが経営における「攻め」の方。これがマーケティングだと個人的には思ってるよ。ずばり言っちゃえば「儲けるための手段」のことかな。

マーケティング=経営の攻めの方であり、経営の攻めの方=儲けるための手段か。

事業って、基本的には「生き永らえ、儲け続ける」っていう仕組みのことだよね。で、後退するための経営ってこの世に無いと思ってるので、そうなると必然的に事業にマーケティングは必要になる。

じゃあ、どんな会社にもマーケティングが必要ってこと?

う〜ん、たとえばスタートアップ企業には、マーケティングの前にまず必要なことがある。

えっ!?なになに?

PMFだね。

ドヤった!

プロダクトがリリースされて、そのプロダクト(Product)をマーケット(Market)にフィット(Fit)させること。プロダクトがマーケットにフィットしていれば、テコ入れせずともある程度勝手に成長するから。そういう場合はマーケティングの優先度は高くないかな。自走で十分伸びるからね。

まめちしき

プロダクト・マーケット・フィット(PMF)とは「顧客の課題に対して最適なプロダクトを適切な市場に提供し、それが受け入れられている状態」のこと。スタートアップ企業の成功には「顧客の課題を満足させる製品」と「適切な市場の選択および受け入れられること」の両方が重要であるとされ、マーク・アンドリーセンによればスタートアップ企業にとって唯一重要なことがPMFである。

そうか!まずは、世の中に受け入れられるものを作るのが大事ってことね!?

それがスタートアップの面白さでもあるよね。

僕が前にいた会社でも、プロダクトが良くできていて、それが社会の求めるものと合致していたから「マーケティングはなにをやっても成長します」みたいな時期もあったよ。ぶっちゃけ、かかしがマーケティングやってても……

それはさすがに言い過ぎ!

調子のりすぎた。でも、その時はPMFされたプロダクトが自走して伸びるパワーの凄まじさを見たね。そんな時にマーケティングができるのは、伸びそのものではなく伸びの角度を調整してあげること。

伸びの角度!それも後になって効いてくるね。

そう。すぐに効果が出るような、マーケティングの力が分かりやすく発揮できるのは、そのまま放っておいても何も起こらない、何らか人為的な力でドライブしなきゃいけないっていう時なんだよ。

どんな素晴らしいプロダクトもいつかは停滞する時期が来るからね。そこからもう一回ブーストしなきゃいけない。

なんか芸人さんみたい。芸人は二度売れなきゃいけないって言うじゃない?

そうだね。芸人さんもバーンと売れちゃうと、何もしないでもどんどん仕事が飛び込んでくるけど、さっとブームが去るとすぐに飽きられてしまう。でも、そこからまた別の芸やアプローチ方法を冷静に考えて、もう一度売れる芸人さんもいるよね。2回売れるためにはなんらかの「工夫」が必要なんだよ。その工夫こそがマーケティングだと思う。

なるほど……じゃあサウスくんのところにもそんな相談が多い?

そうだね。壁にぶつかってしまっていて、何やっても売れ行きが伸びないんですっていう状態の相談は多いね。

「ひと通り考えられることは試したけど、どうしたらいいかわかりません!」みたいなね。

でもさ、そのサービスのことをいちばん知っている当事者の人たちがお手上げ状態なのに、外部のサウスくんたちには何が見えるの?

いい質問ですね〜。

急に古いモノマネを……。

だいたいそういうお客さんって「手段」についての相談をしてくるんだよね。「CMを打つべきですか?」とか「どういうCMだといいですか?」とか。

えっ!?ちがうの?芸能人は誰を起用したらいいのか?とかさ。

内側にいるとそんな風に考えてしまいがちなんだけど、そこは「手段」ではなくて「方向」を変えたほうがよかったりするんだよ。

方向???

一歩引いた視点から考え直すってことだよね?

イエス。そういう状況に陥っている場合、「手段」で解決できることって実は意外と少なかったりする。だったら、そもそもの「方向」を変えてしまえば良いんだよ。

たとえば??

けっこう前の話だけど、某酒造メーカーさんが「焼酎が全然売れないんです」とお手上げ状態で相談にきたのね。「新商品を作って、それでCMをやろうと思います!」って。

ほぉ?新商品、良いんじゃないの?

いや、それがさ、そもそも焼酎を飲んでるのっておじさんしかいませんと。そんな中で、あらたなおじさんを開拓しに行こうと新商品を開発しているわけよ。

もっといろんなおじさんにも飲んでもらおうと。

そう。でもさ、既に焼酎っておじさんたちの中でコモディティ化しているわけじゃない?そんなおじさんたちに、あたらしい焼酎です!って売るのってむずかしくない?って思ったわけよ。

で、どうしたの?

どうせ新しくつくるんだったら、そもそもおじさんじゃない人をターゲットにしちゃえば良いんじゃないかって考えたわけよ。

「方向」を変えたわけだ。

チームで議論して、思い切って新商品は女性向けにしたほうがいいんじゃないかって提案して、結果、当初の話とは全然違う焼酎を作ったんだよね。

メーカーさんも思い切ったね!まさに「手段」じゃなくて「方向」チェンジだ。それってかわいい女優さんのCMで話題になった”ふんわり”な焼酎のこと?

それそれ!まぁ、大成功したわけだけど、そもそもお酒造りのこだわりの強い有名なメーカーさんが作っていて、まず商品そのものが美味しいっていうのがめちゃくちゃでかいよ。なので僕らのやったことは成功の一部にしか貢献はしていないと思うけど。

意外と謙遜する雪男。

でも、このメールくれた社長さんも、目の前の「手段」ではなく、まずは一歩引いて「方向」そのものから見直してみるのもいいかもね。

そうしたら全然ちがうものが見えてくる。

それでも見えてこなかったら_

僕らに相談、お待ちしていまーす!

しっかり営業もする雪男。

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